「騒/騷」という漢字 |
漢字の意味・成り立ち・読み方・画数等を調べてみました。
(「騒」は中学生で習います。「騷」は常用漢字外(人名用漢字)です。)
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成り立ち、読み方、画数・部首 |
意味 |
①「さわぐ」
ア:「やかましい音をたてる」
イ:「ざわざわと音をたてる」
ウ:「多くの人が一緒になって反対したり、要求・不平を訴えて
叫んだりする」(例:審判の判定に観衆が騒ぐ)
エ:「飲み会などでにぎやかに遊ぶ」
オ:「落ち着きを失って冷静さに欠けた言動をみせる」、「あわてる」、
「うろたえる」(例:今さら騒いでも遅い)
カ:「不安や驚きなどのため気持ちが高ぶったり乱れたりする」
(例:血が騒ぐ)
キ:「多くの人が話題にする」(例:マスコミが騒ぐ)
ク:「忙しく立ち働く」
②「さわがしい」
ア:「盛んに声や物音がしてうるさい」、「やかましい」(例:騒音)
イ:「事件などが起こって落ち着かない」(例:物騒)
ウ:「事が多くて忙しい」
エ:「ごたごたしている」、「乱れている」
③「さわがす(さわがしい状態にする)」
④「かく(指先やつめ、またはそれに似たもので物の
表面を強くこする)」(同意語:掻)
⑤「うれえる」
ア:「よくないことになるのではないかと心配する」
イ:「ひどく悲しむ」(例:離騒)
⑥「うれえ(うれえる事)」
⑦「あしなえ(片方の足が悪くて正しく歩けない人)」
⑧「なまぐさい(生の魚や肉のにおいがする、気持ちの悪いにおいがする)」
⑨「中国の韻文の一体。中国戦国時代の楚の詩人:屈原(くつげん)の
「離騒」に始まる悲しみと怒りに満ちた韻文」
⑩「韻文・詩を作る人」(例:騒人)
⑪「はらう(取り除く)」(同意語:掃)
日本のみで用いられる意味
⑫「ぞめく(浮かれさわぐ)」
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成り立ち |
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会意兼形声文字です(馬+蚤)。「馬」の象形と「上からおおう手、または爪の
象形と頭が大きくグロテスクなまむしの象形(「虫」の意味)」(飛び跳ねる虫を
上から押さえ爪でつぶすさまから、「のみ」の意味を表すが、ここでは、
「飛び跳ねる」の意味)から、飛び跳ねる馬を意味し、そこから、「さわぐ」、
「さわがしい」を意味する「騒」という漢字が成り立ちました。また、「愁」に通じ
(「愁」と同じ意味を持つようになって)、うれえる(嘆き悲しんで訴え出る)の
意味も表します。
※「騒」は「騷」の略字です。
※「騷」は「騒」の旧字(以前に使われていた字)です。
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読み
音読み:「ソウ」
常用漢字表外:「サウ」(騷のみ)
訓読み:「さわ(ぐ)」
常用漢字表外:「うれ(い)」、「ざわ(つく)」、「ぞめ(く)」
※訓読み⇒()の中は「送りがな」
画数
「18画」(騒)
「20画」(騷)
部首
「馬(うま、うまへん(馬偏))」
「馬」を含む漢字一覧
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