「乗/乘」という漢字 |
漢字の意味・成り立ち・読み方・画数等を調べてみました。
(「乗」は小学3年生で習います。「乘」は常用漢字外(人名用漢字)です。)
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成り立ち、読み方、画数・部首、書き順(乗) |
意味 |
①「のる」
ア:「物の上にあがる」(例:椅子に乗る)
イ:「移動する物の中に身を置く。じょう。」(例:車に乗る、乗車)
ウ:「音楽の調子(リズム)や動きによく合う」(例:リズムに乗って歌う)
エ:「勢いがついて物事が具合よく運ぶ。勢いにまかせて進む」
(例:勢いに乗る、図に乗る)
オ:「誘いに応じて仲間や相手になる。仲間として加わる。」
(例:相談に乗る、話しに乗る)
カ:「相手の考えどおりに動かされる。だまされる。」
(例:口車に乗る、その手には乗らない)
キ:「十分につく」(例:脂が乗った魚、化粧が乗る)
ク:「風や潮の流れ等によって運ばれる」(例:風に乗る)
ケ:「快(こころよ)い調子(リズム)で演奏する。テンポを速めて演奏する。」
コ:「歌舞伎・舞踊等で、しぐさや躍りが音楽に合う」
(例:三味線に合ったせりふ)
サ:「道に沿って行く」
シ:「心にぴったりとついて離れない」(例:霊が乗り移る)
②「のせる」
ア:「物の上に置く」(例:子を台に乗せる)
イ:「移動する物の中に身を置かせる」(例:子を車に乗せる)
ウ:「音や調子に合わせる」(例:リズムに乗せて躍る)
エ:「物事が順調に行くようにする」(例:商売を軌道に乗せる)
オ:「仲間として加える」(例:その仕事に乗せて下さい)
カ:「考えどおりに相手を動かす。だます。」(例:口車に乗せる)
キ:「物事をある手段や経路によって運ぶ」
③「のりもの(人や物を置いて移動する物)」(例:下乗)
④「良い機会として利用する」(例:便乗)
⑤「凌(しの)ぐ」、「勝つ」
⑥「計算する」、「計算」(例:乗除)
⑦「掛け算する」、「掛け算」(例:乗除)
⑧「二つ」、「対」
⑨「単位を示す語」
ア:「四つで一揃いの物」
イ:「四頭の馬をつけた車一台の呼び名」
ウ:「兵車(戦車に用いる車)と兵の数を数える語」
⑩「記録」、「歴史」、「歴史書」(例:史乗)
⑪「春秋時代、晋の国の歴史書」
⑫「仏法(仏の教え)」(例:大乗、小乗)
[乗・載の使い分け](のる)
「乗」・・・人がその物・事の上にあがる場合(例:馬に乗る、話に乗る)
「載」・・・物が上にあがる場合。また、印刷物に出る。
(例:荷物を載せる、新聞に載る)
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成り立ち |
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会意文字です(大+舛+木)。「両手両足を開いた人」の象形と「両足を
開いた」象形と「木」の象形から、木にはりつけになってのせられた人を
意味し、そこから、「のる」を意味する「乗」という漢字が成り立ちました。
※中国、最古の歴史書「尚書」には、殷の時代から追放刑(流罪)が
あったことが示されています。この事例によって後に日本でも流罪が
成立しました。
※「乘」は「乗」の旧字(以前に使われていた字)です。
※「乗」は「乘」の略字です。
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読み
音読み:「ジョウ」
常用漢字表外:「ショウ」
訓読み:「の(る)」、「の(せる)」
※訓読み⇒()の中は「送りがな」
名前(音読み・訓読み以外の読み):「あき」、「しげ」、「のぼる」、「のり」
画数
「9画」(乗)
「10画」(乘)
部首
「丿(の、のかんむり(ノ冠)、のはらいぼう(ノ払棒)、はらいぼう(払棒)、へつ)」
「丿」を含む漢字一覧
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書き順・書き方(乗) |
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