「下」という漢字 |
漢字の意味・成り立ち・読み方・画数等を調べてみました。
(「下」は小学1年生で習います。)
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成り立ち、読み方、画数・部首、書き順・書き方 |
意味 |
①「した」
ア:「場所・順序・数量・地位等の低い事・遅い事・後方にある事。か。げ。」
(例:階段の下、下部、下等、下品)
イ:「何かをしたすぐその後。直後。」
(例:言った下からぼろを出す)
ウ:「買い物の代金の一部に充てる事」(例:下取り)
エ:「金の引き当てにするもの」(例:宝石を下に金を借りる)
オ:「心」
②「もと」
ア:「物の低い部分。また、その辺り」
(例:桜の下で花見する)
イ:「その人の所。そば。」(例:親の下を離れる)
ウ:「影響や支配力の及ぶ所。か。」
(例:監視の下で生活する、支配下)
エ:「~した状態で」(敵を一撃の下に倒す)
③「しも」
ア:「場所・順序・数量・地位等の低い・遅い・後方の部分」
(例:下期)
イ:「身体の腰から下の部分。また、特に性器(子作りをする際
に使用する体の一部)や尻・大小便に関する事柄を指す事
が多い」(例:下ネタ)
ウ:「客間・座敷等に対して、台所・勝手等を指す語」
エ:「舞台の、客席から見て左のほう」
オ:「中心(都や天皇の住む所)から離れた地」
カ:「袴(はかま-日本に古くから存在する和服の一つ。着物を着た
上からつけて、腰から下を覆う緩やかな衣服)」
キ:「天皇の住む場所で、働く女が使っている部屋」
④「くだる」
ア:「場所・順序・数量・地位等が低い事・遅い事・後方へ移る。
さがる。おりる。か。げ。」(例:坂を下る、価値が下る、人気が
下がる、水位が下がる、山から下りる、下降、下車)
イ:「中央(都や天皇の住む所)から地方へ行く。か。」(例:西下)
ウ:「公の職務を離れて民間人になる」
(例:野に下る)
エ:「牢獄に入って刑に服する」(例:獄に下る)
オ:「高い地位の人から渡される。さがる。おりる。か。」
(例:給付金が下る、年金が下りる、下賜)
カ:「判断や命令等が言い渡される」(例:判決が下る)
キ:「下痢をする(胃や腸の異状によって液状または
液状に近い糞便を出す)」(例:腹が下る)
コ:「雨などが降る」
サ:「場所が低い状態である」
シ:「へりくだる(相手を敬って自分を控え目にする)。げ。」
(例:卑下)
ス:「薬などの作用によって体外へ出る」
セ:「涙が流れ出る」
⑤「くだす」
ア:「場所・順序・数量・地位等が低い事・遅い事・後方へ移す。か。」
(例:上流から舟を下す、投下)
イ:「中央から地方に派遣する」(例:使者を下す)
ウ:「上位の人が下の者に物を与えたり、命令・判断等を与えたりする」
(例:褒美を下す、判決を下す)
エ:「自分ではっきりと判断する」(例:結論を下す)
オ:「自分で実際に処理する」(例:手を下す)
カ:「薬の作用などで、体外へ出す」
キ:「下痢をする(胃や腸の異状によって液状または
液状に近い糞便を出す)」(例:腹を下す)
ク:「筆を紙の上におろして書く」
ケ:「動作を滞りなく進行させ、一気に終わらせる」
(例:書き下す)
⑥「おろす」
ア:「上から下に移動させる」(例:雪を下ろす)
イ:「神仏・貴人(身分・地位の高い人)・客などに供えた物を
後方へ移す」
ウ:「生えているものを切ったり、そったりして落とす」
(例:枝を下ろす)
エ:「深部へしっかりと伸ばす」(例:木が根を下ろす)
オ:「料理の為に魚・獣の肉を切り分ける」(例:サバを二枚に下ろす)
カ:「納めてある物や、あらかじめ作ってある物を取り出す」
(例:貯金を下ろす)
キ:「扉を閉める」、「鍵をかける」
ク:「印刷に回す」
ケ:「貴人(身分・地位の高い人)の前から退出させる」
コ:「悪く言う」
サ:「高い所から風が吹く」(例:吹き下ろす)
⑦「降参する(戦いや争いに負け、相手に従う)」
⑧「空間的・時間的範囲を限定する語」(例:県下)
⑨「貴人(身分・地位の高い人)の尊敬を表す語
に添える語」(例:殿下、陛下)
⑩「ください(相手に何かを要望・お願いする意味を表す)」
(例:メールを下さい)
[提・下の使い分け](さげる)
「提」・・・物を上でおさえて下にさげる場合。
(例:首からカメラを提げる、手提げカバン)
「下」・・・上記以外はすべて、「下」を用いる。
[元・本・基・下の使い分け](もと)
「元」・・・物事の始め、最初の方(例:火の元、元議員)
「本」・・・物事の大切な部分(例:農業は国の本)
「基」・・・助けとして用いる部分、物事を成り立たせる土台
(例:資料を基とする、基とする考え)
「下」・・・上に広がっている物に隠れている部分、影響の
及ぶ範囲(例:灯台下暗し、法の下の平等)
[降・下・卸の使い分け](おりる・おろす)
「降」・・・乗り物・地位に関する事柄の場合
(例:荷物を降ろす、部長職を降りる)
「下」・・・上から下へ移動させる場合(例:腰を下ろす、看板を下ろす)
「卸」・・・問屋が小売店に売り渡す場合(例:卸し値)
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成り立ち |
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指事文字です。甲骨文(甲骨文字)では、基準線の下に短い線を1本
引く事で「した」を意味していました。それが変化し、現代の「下」という
漢字が成り立ちました。
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読み
音読み:「カ」、「ゲ」
訓読み:「した」、「しも」、「もと」、「さ(げる)」、「さ(がる)」、
「くだ(る)」、「くだ(す)」、「くだ(さる)」、「お(ろす)」、「お(りる)」
※訓読み⇒()の中は「送りがな」
名前(音読み・訓読み以外の読み):「し」、「じ」
画数
「3画」
部首
「一(いち)」
「一」を含む漢字一覧
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