「上」という漢字 |
漢字の意味・成り立ち・読み方・画数等を調べてみました。
(「上」は小学1年生で習います。)
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成り立ち、読み方、画数・部首、書き順・書き方 |
意味 |
①「うえ」
ア:「基準とするものより時間、年齢、価値等の高い事、
早い事、前方にある事。うわ。かみ。じょう。」
(例:机の上、上書き、上記)
イ:「ある物事に関する事」(例:結婚の上での苦労)
ウ:「~した後で。~した結果」(例:検討した上で返事をする)
エ:「~に加えて」(例:美しい上に性格も良い)
オ:「~する為」(例:事業を起こす上で必要な経費)
カ:「~からには」(例:かくなる上はやむをえない)
キ:「高い地位を占めている場所、または人。かみ。じょう。」
(例:上に相談する、御上、上座、上司)
ク:「君主・天子(国を治める人)」
ケ:「付近(近くの場所)」
コ:「自分または相手の目上の近親者(近い親族)を表す語に付いて
に対する尊敬の意味を表す」(例:父上)
サ:「目上の人を表す語に付いて、尊敬の意味を表す」
②「かみ(皇居(天皇の住んでいる所)のある場所)」
③「のぼる」
ア:「下から上へ、低い所から高い所へ移る。じょう。」
(例:階段を上る、上昇、上陸)
イ:「地方から中央へ行く。都へ向かう。じょう。」
(例:東京へ上る、上京)
ウ:「高い地位につく」
エ:「血が頭へ移って、ぼうっとなる」(例:頭に血が上る)
オ:「数量が、無視できない相当の程度に達する」
(例:死者は100人に上る)
カ:「取り上げて公の場に出す」(例:話題に上る)
④「あがる」
ア:「下から上へ、低い所から高い所へ移る」(例:二階へ上がる)
イ:「収益がある」(例:利益が上がる)
ウ:「上の段階や等級へ進む」(例:地位が上がる)
エ:「程度(位置)が高まる」(例:気温が上がる)
オ:「血が頭へのぼって、ぼうっとなる」(例:発表で上がる)
キ:「物事が終わりとなる」(例:仕事が上がる、車のバッテリーが上がる)
ク:「人の目についたり、広く知られたりするようになる」
(例:名が上がる)
ケ:「神仏や敬うべき人などに、ある行為がなされる」
(例:供え物が上がる)
コ:「食べる・飲むの尊敬語」(例:召し上がる)
サ:「行く・訪ねるの謙譲語」(例:お話をお伺いに上がります)
※謙譲語とは、相手を尊敬して、自分を控え目にする語を言います。
⑤「あげる」
ア:「そのもの全体または部分の位置を低い所から高い方へ動かす」
イ:「好ましい結果を得る」(例:収益を上げる)
ウ:「上の段階や等級へ進ませる」(例:子供を大学へ上げる)
エ:「程度(位置)を高める」(例:手を上げる、男を上げる)
オ:「物事を終わりにする」(例:仕事を上げる)
カ:「人の目についたり、広く知られるようにする」
(例:名を上げる)
キ:「神仏や敬うべき人などに、ある行為がなされる」
(例:供え物を上げる)
ク:「「与える」を、その相手を敬っていう語」(例:プレゼントを上げる)
ケ:「地方から中央へ行く。都へ向かう」
⑥「のぼす(のぼせる)」
ア:「高い所へあがらせる。上の位に進ませる。」
(例:壇上へ上す、地位を上す)
イ:「取り上げて公の場に出す。じょう。」(例:話題に上す、上演)
ウ:「正式に書き記して残す。記載する。」(例:議事録に上す)
エ:「料理として出す」(例:テーブルに料理を上す)
オ:「頭に浮かべる」(例:意識に上す)
⑦「尊(たっと)ぶ」、「尊(たっと)い」
⑧「その場に出る」、「その位置につく」
⑨「奉る(差し上げる)」(例:献上)
⑩「加える」
⑪「四声(中国語の音を四つに分類した物)の一つ(平・上・去・入)。上声。」
⑫「ある場所の範囲を漠然とさす語」(例:身上、史上)
⑬「ある事柄を取り出して範囲を限定する語」(例:規則上)
⑭「上野 (こうずけ) 国(現在の群馬県)の略」
※上野国とは、日本の律令制(7世紀後半-10世紀頃)まで
実施された制度で設置された日本の地方行政区分の一つである。
[登・昇・上の使い分け](のぼる)
「登」・・・相当の労力を費やしてのぼる(例:山登り、木登り)
「昇」・・・勢いよくのぼる、高くのぼる。天体関係について用いる事
が多い(例:太陽、月が昇る、エレベーターで昇る)
上記以外の場合は、「上」を用いる。下から上へ行く意味以外に、
程度の進む意味でも用いる(例:川を上る、話題に上る、かなりの額に上る)
[挙・揚・上の使い分け](あげる・あがる)
「挙」・・・「複数あるうちの、一つを持ち出す」、「目立たせる」、
「行う(実施する)」、「全員で」
(例:例を挙げる、犯人を挙げる、結婚式を挙げる、国を挙げる)
「揚」・・・「人目のつく高い所へ出す」、「高温の多量の油の中で
食材を加熱する」、「船から荷物を陸に移す」
(例:国旗を揚げる、油で揚げる、荷揚げ)
上記、2つ以外は、すべて「上」を用いるが、実際には、紛らわしい
場合が多いので、「ひらがな書き」の場合がかなり多い。
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成り立ち |
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指事文字です。甲骨文(甲骨文字)では、基準線の上に短い横線を
1本引く事で「うえ」を意味していました。それが変化し、現代の
「上」という漢字が成り立ちました。
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読み
音読み:「ジョウ」、「ショウ」
訓読み:「うえ」、「うわ」、「かみ」、「あ(げる)」、「あ(がる)」、
「のぼ(る)」、「のぼ(せる)」、「のぼ(す)」、「ほとり」
※訓読み⇒()の中は「送りがな」
名前(音読み・訓読み以外の読み):
「うら」、「え」、「すすむ」、「たか」、「たかし」、
「のぼる」、「ひさ」、「ほず」、「まさ」
画数
「3画」
部首
「一(いち)」
「一」を含む漢字一覧
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書き順・書き方 |
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